作者:小花美穂
巻数:全3巻
ジャンル:サスペンス
【あらすじ】
双子の姉妹・苗と萌、そして幼なじみの賢と武。
平穏な日常を送る彼らだったが、ある出来事を
きっかけに運命が大きく変わり始める。
命や人間の尊厳をテーマに描かれる
衝撃のサスペンス作品。
ひとこと感想
少女漫画らしい絵柄ですが、
内容はかなり重めのサスペンス作品です。
全3巻と短いながらも、読後に強い余韻が残りました。
『パートナー』はこんな人におすすめ
⭕️後味が残る重い作品が好きな人
⭕️少女漫画の枠に収まらない作品を探している人
⭕️命や倫理をテーマにした物語が好きな人
⭕️ストーリーを読みたい人
❎️明るい気分になれる作品を読みたい人
❎️ハッピーエンドを重視する人
❎️人が苦しむ展開が苦手な人
❎️学園ラブコメを期待している人
『パートナー』が心に残る理由
『パートナー』の魅力は、最初に想像していた物語の印象が、読み進めるうちに大きく変わっていくところ。
人間を実験の対象として扱うことや、周囲の人たちがそれを当たり前のように受け入れてしまうこと。
読んでいると、何が正しいのか、どうしてこんなことが許されてしまうのかと考えずにはいられません。
登場人物たちの関係も、簡単に割り切れるものではありません。それぞれの思いや事情が絡み合うからこそ、誰かの選択を単純に責めるだけでは終われない苦しさがあります。
全3巻と手に取りやすい長さですが、読み終えたあとにも考えさせられるものが残る作品です。
人間の尊厳や命について考えさせられる
本作で特につらいのは、人が人として扱われなくなってしまうこと。
実験に利用される人たちがいて、その状況を疑問に思えない環境がある。
周囲が博士を崇拝しているからこそ、目の前で起きていることの異常さに気づけなくなってしまう怖さもあります。
事情を想像すれば、登場人物の気持ちがまったく理解できないわけではありません。
でも、動機を理解できることと、やってしまったことを許せるかどうかは別の話です。
命を救いたいという願いがあったとしても、そのためにほかの人の尊厳を踏みにじっていいわけではない。
読みながら、そんな当たり前のことを改めて考えさせられました。
キャラクターを、全力で応援したくなる
苗と武が一緒にいるところが好きです。
苗は高校1年生で、萌を突然失ってしまったあとも、
賢や武と一緒に異常な世界に立ち向かっていきます。
そして武も、怒りを抑えきれず東条博士に殴りかかってしまうほど、
まっすぐな気持ちを持っている人。
二人とも、とにかく一生懸命でひたむきなんです。
大きな力に押しつぶされそうな状況でも、あきらめずに前に進もうとする姿を見ていると、
「がんばれ…!」って心から応援したくなります。
特に、A館に入ることを許された苗が、脱出の糸口になりそうな情報を集めていくところは、
苗の行動力がよく伝わってくる場面。この二人の物語を、ぜひ最後まで見届けてほしいです。
『パートナー』は怖い? トラウマになる?
『パートナー』は、かわいらしい絵柄からは想像できないほど重いテーマを扱っています。
人間を実験に利用する展開や、登場人物たちが追い詰められていく様子など、読んでいてつらくなる場面もあります。単純に怖いというより、人間の尊厳や命について考えさせられることが、心に重く残るタイプの作品です。
重いテーマの漫画が苦手な方や、登場人物が苦しい状況に置かれる展開を読むのがつらい方は、少し心の準備をしてから読むとよさそうです。
『パートナー』を読むには?
キャンペーン情報は変更・終了となる場合があります。
ご利用の際は、各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。
⚠ここから先はネタバレあり
『パートナー』の結末は、すべてが丸く収まるような単純なハッピーエンドではありません。
失われたものの大きさを感じさせる一方で、苗と武には、
この先の未来に希望を見いだせる部分も残されています。
つらい出来事をなかったことにはできない。
それでも、残された人たちがこれからを生きていく。
そのことが、読後に小さな救いとして感じられる結末です。
最後の爆発の前に、キャリーと萌(type4)が交わす会話です。
キャリーが「私…美しい?」と尋ねたとき、爆発でまっ黒焦げになってしまった彼女に、
萌は抱きつきながら「うん!きれいだあ!」「キャリーは世界一キレイよ!」と答えるんです。
この言葉をためらいなく言えるのは、本当にすごいことだと思いました。
見た目の違いといった隔てなく人を愛することができる、
萌の爛漫さが垣間見えた瞬間だと感じています。
双子たちの本当のお別れの時。
苗は誕生日プレゼントを渡します。そして、酷いことを言ってしまったことを謝ります。
そして、萌も自分を取り戻ししっかりと謝ります。不可能だと思われていた仲直りができた瞬間です。
賢は最後に二人を銃弾から庇い、確実に逃げられるよう扉を閉めます。
その向こうでは涙を流し謝る姿。二人の驚いた表情が胸に刺さりました。
もうひとつ、印象に残っているのが、チョン太をしっかりと埋葬してあげる場面です。
大きな出来事が次々と押し寄せる物語のなかで、きちんと弔う時間が描かれているところが、すごく印象的でした。
命の重さを描く作品だからこそ、この一場面にも意味があるように感じられて、読み終わったあとも思い出すことが多いです。
重い題材の作品で、読んでいる間は真剣な気持ちのままでしたが、
こうした優しい場面が、私にとっての「印象に残った場面」になりました。
派手な展開だけでなく、小さな優しさが描かれているのが、『パートナー』の大きな魅力です。
まだ読んでいない方は、ぜひ最後まで読んで、あなたにとってのお気に入りの場面を見つけてみてください。

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